技術を社会実装に導くためのアプローチ
技術的に優れたAIでも、ビジネス価値に結びつかなければ社会に貢献できません。技術を実用的なソリューションに転換するためのアプローチを紹介します。
実用化までのプロセス
現場の真の課題を特定する
技術ありきでなく、現場の声に耳を傾ける姿勢から始めます。ユーザーが本当に必要としているのは何か、課題の根本原因は何かを理解することが重要です。
例えば、RIDGE DUAL AIが使われる地図更新プロセスでは、コスト制約の中で全国の地図精度を維持するという課題が明らかになりました。この洞察がなければ、適切なソリューションは生まれなかったでしょう。
小さなPoCから始める
大規模な開発に踏み切る前に、小さな概念実証(PoC)から始めることが重要です。これにより、アイデアの実現可能性を低コストで検証し、関係者からの信頼を得ることができます。
基本的に、最初のプロジェクトでは予算が限られているので、何ができて、何を実証すると大きなインパクトが出せるのか?を考え続けることが非常に重要です。この際にも衛星から考えないことが重要です。
コストと価値のバランスを取る
完璧な技術を追求するのではなく、「十分実用的なライン」を見極めることが重要です。コストと価値のバランスを取り、投資対効果の高いソリューションを設計します。
RIDGE DUAL AIの例では、低解像度と高解像度の画像を組み合わせることで、最小限のコストで最大限の効果を生み出す設計を行いました。完璧な精度よりも「必要な精度を効率よく達成する」ことに焦点を当てています。
技術の価値をビジネス言語で伝える
技術的な素晴らしさだけでなく、ビジネス価値や社会的インパクトの観点から技術の意義を伝えることが重要です。関係者に「この技術で何ができるのか」を明確に伝えられなければ、実用化への道は開けません。
例えば、RIDGE DUAL AIを使ったプロジェクトでは、単に「変化検出の精度が向上した」という技術的な成果だけでなく、「限られた予算内で効率よく全国の地図精度を維持できる」というビジネス的なメリットを強調しました。これにより、一般的に保守的な官公庁の現場にも受け入れられるポイントとなりました。
まとめ
衛星データ解析活用では、これまでに示したとおり、逆に衛星を感じさせないことが重要です。 「衛星」ではなく、「価値」から逆算して、そこにたまたま衛星が使われると言った意識を持つと、おのずと成功に近づくのではないかと考えています。
技術とビジネス、両方の視点を持てば鬼に金棒です。 エンジニアの皆さんには、自分の技術がどんなビジネスインパクトを与えうるか考えてほしいですし、 逆にビジネス畑の方には技術のポテンシャルにもっとワクワクしてほしいです。 その橋渡し役を担う人材が増えれば、もっと面白いイノベーションが生まれるでしょう。 橋渡しに興味がある方はぜひ、私までご連絡ください。
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